第7回東京国際アニメフェア④〜関連イベントの充実/中国で売れているキャラクター
アニメフェアの中で毎年充実していくと感じるのは各種セミナー・シンポジュウム、発表会、及びイベントの充実である。年々その数を増やしつつあるが、今年は50以上もあり、とても見きれるものではなかった。
まず、ビジネスデーで行われたビジネス向けのものについて見てみたい。全部で17行われたセミナー、シンポジュウムの中で目についたの中国関係をテーマとしたものが二つあったことである。中国でのアニメ製作ブームを受けてのことであろうが、そのひとつである「中国のアニメ産業最新事情と日中間の連携可能性について」はなかなか興味深いものがあった。
このシンポジュウムは中国のアニメ関連事業者の発表を中心として構成されていたが、ゴールデンタイムを独占できるというようなアドバンテージがあるためか、それなりにヒットアニメを生み出しているようで元気な発言が目を引いた。しかしながら、景気のいい数字が飛び交っている割には、はっきりとした収支状況がわかるデータはない。実際どうなっているのだろう?
当日配られた資料の中で、中国産アニメの現状を伺い知ることのできる面白いデータがあった。それは「中国アニメブランドライセンス概況」というもので、現在中国で行われているアニメのライセンスシェアが示されており、どこの出展か明確ではないが(まあ、明確であっても信憑性については一定の疑問があるが)それによると次のようなシェアとなっている。
【中国アニメブランドライセンス概況】
1位ディズニー 43%
2位ワーナー 23%
3位日本 13%
4位中国 5%
5位その他 16%
以上であるが、目につくのはアメリカの強さと中国の弱さの対比であろう。ディズニーとワーナーを合わせると58%になり独占といってもいい数字になる。一方、中国はわずか5%。ゴールデンタイムで他国のアニメを押しのけて放映している割にはずいぶんと物足りない数字である。もし、この数字が本当ならば中国アニメの道はまだまだ遠い。
ハリウッドのメジャー系キャラクターが強いのは著作権監視に力を入れているからであろうか。一方、日本のシェアの13%というのは、話題性の割には少ない気がする。日本の事業者は全くといっていいほど著作権対策をしてないが、その差が現れたのか。もしそうなら、もっと真剣に取り組んだ方がよいということになる。
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