第7回東京国際アニメフェア⑫〜恒常的なビジネス構造を打ち立てる必要性が芽生えたジブリ
少し前までのジブリならビジネスなど考える必要はなかったであろう。潤沢な資金の中で自分たちが思うままに作品をつくり続ければよかった。ビジネスに精を出さずとも十分やっていける余裕があった。
しかし、気がつくと所帯が結構大きくなっていた。ジブリ本体も相当な人数が居ると思われるし、今回ジブリ博物館で働く人員の正社員化を進めるようになったと聞く(ただし、博物館の方は財団法人徳間記念アニメーション文化財団経営なのでダイレクトな財務関係はないであろうが)。年度のよって収入の差がかなり違うジブリとしては、それなりにやり繰りに腐心しなければならなくなったのであろう。
思うに、『ハウルの動く城』が興行の日本記録を更新していれば星野氏の社長就任はなかったかも知れない(鈴木社長はかなり前から次の社長候補を探していたようであるが)。DVDも相応に売れたがもののけや千と千尋に比べれば物足りなかったのではないか。
その後、宮崎吾郎氏の『ゲド戦記』はあったものの、まだまだ成長過程である。高畑氏が制作に入るという噂もあるが定かではない。いずれにせよ、恒常的なビジネス構造を打ち立てなければならないと感じたのは確かであろう。
今後星野氏はジブリのプロパティを色々な形で展開されることが考えられる。あるいは、その面から考えた新企画が出てくるかも知れないが(有り得ないと思うが例えばトトロの続編とか)、とにかくもうすぐその動きがハッキリしてくるものと思われる。
そんな事情が推測されるジブリであるが、とにもかくにも公開日が決定したポニョに期待したい。
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