境真良『テレビ進化論 映像ビジネス覇権のゆくえ』(講談社現代新書720円+税)5〜海外で弱い日本のコンテンツ
コンテンツの時代が訪れたと言われる割にはその成長はいまいちである。デジタルコンテンツ白書を見てもデジタルコンテンツ系はそこそこ伸びているものの全体としての伸びは鈍い。何故であろうか。
まあ、よく考えて見ると少子高齢化している日本では既に人口が減りはじめている。ゼロサム的思考でゆけば他の産業に替わってコンテンツが伸びるというケースも考えられるが、いずれにせよ頭打ちになる可能性は大きい。
その対策としては政府が少子化対策に本格的に取り組むか、あるいは最近検討されはじめた移民政策を採用することで人口回復を待つしかないであろうが、それには10年単位の時間がかかるはずである。だが、それを待っている間に日本のコンテンツ産業が衰退するのは間違いない。
ではどうすればいいのか。
非常に短絡的であるが海外に市場を求めるしかないのである。以前から日本のコンテンツの海外売上は少ないと言われてきた。確かに30年前のことを考えると海外に売れるコンテンツなどほとんどなかった。それがマンガが海外(アジア)出はじめ(主に海賊版だが)アニメも続くようになった(カラオケもあるが)。その後ゲームが怒濤の如く海外を席巻したのは記憶に新しい。そうしたポップカルチャー系のコンテンツは国際的な競争力を勝ち得ている。
では、どういったコンテンツがなかなか外に出て行けないのか(行かないのか)。それは出版、映画、音楽、放送といった分野のコンテンツである
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