境真良『テレビ進化論 映像ビジネス覇権のゆくえ』(講談社現代新書720円+税)8〜国内の広告費しか眼に入いらない
どうして日本の放送コンテンツが海外で売れないのかと考えると、身も蓋もない言い方をすれば売る気がないからだろう(再三言うがアニメは最初から海外に向けて売るつもりでいたと偉そうに言いたい訳ではない。「東洋のディズニー」になろうと思った確信犯の大川博はともかくアトム以降のアニメが海外で売れたのは「想定外」であった)。
おそらく放送局は国内の広告費しか眼に入らないのだろう。海外で売れるかどうかなどという発想がそもそもなく、したがって視聴率が全てということになり、当たり前の話だが国内の視聴者に合わせた番組づくりをしなければならない。自ずからレベル的な限界が生じるのは当然の話である。
しかし、そんなことで当然宜しい訳がない(日本のコンテンツの将来を考えての視点であるが、まあ、ご本人達はそんなことは余計な話だと思っているであろうが)。もっと高い目線を持つべきである。それはどういうことかと言えば、これまた非常に簡単な話なのであるがお金を払ってでも見たいコンテンツをつくるべきなのである。
ビデオレンタルショップを見るとアメリカのテレビドラマはどれも高い回転率を誇っている。だから日本のドラマも海外でそのような状況になればいいのである。この視聴率の先を見据えた、有料でも見たいコンテンツづくりこそが国際競争力のカギだと思うのだが如何であろうか。
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