中国訪問記9〜中国アニメ製作ブームの実態
中国におけるここ数年の動漫ブームでは日本のアニメが一定の役割を果たしたようだが、産業として推進させたのは見てきたように政府主導によるところが大きかった。その波に乗ろうとした人間は多かったであろうし、実際制作補助金を含む優遇制度なども相当あったらしい。
聞くところによると、その時参入した事業者の中には最初から補助金目当ての企業もあり、その中にはわざと完成させずに補助金をもらい続けているところや、それを巡って動漫基地を渡る歩く会社もあるらしい。また、動漫ブームの訪れを感じ取って多くの大学や美術学校なども動漫学部や学科をつくって人材育成を行なった。
しかしながら、実際アニメをつくっては見たところ何度か述べたように残念ながら中国の市場にはまだアニメ事業を支えるビジネスモデルが存在しなかった。アニメビジネスのほとんどは放映や商品化、DVD販売などから得られる対価によって支えられているのであるが、ご存じのように海賊版大国である中国ではそれらの商品から収入を得られるシステムが確立していなかったのである。
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