中国訪問記10〜戸惑いの中にある中国アニメ
政府の全面的な推奨でアニメ事業に進出した人々であるが、現在の状況を述べるならば戸惑いの中にあるようと言えるだろう。それも、ビジネスモデルが不在のまま進んで来た結果であり、ある種当然のこととも言えよう。
現在の中国のシステムは他国のコンテンツを受容するには非常にいいが、いざ自分たちが事業をやる場合には逆に作用する。しかしながら、市場から対価が得られるビジネスモデルが確立していなければ事業継続はもちろん難しく、一見好景気に見えた中国のアニメビジネスは現在そうした局面を迎えているように見える。
ここ何年かに渡る中国のアニメ製作熱を支えてきたのは政府の保証に裏打ちされた資金流入である。政府や地方行政府などからの公的支援はもちろん、不動産を中心とする余剰資金が流れ込んできた。そして、それらの資金によって製作されたアニメがそろそろ市場で結果を問われ時期を迎えている。
中国に行く前から予測されたことであるが、製作費の回収はおしなべて思わしくないようである。放送局から放映権料だけは確実に得られるものの、それではとても製作費をまかなえるものではない。全国の放送局に番組をブッキングするディストリビューターもいないようなので、唯一確実な資金源もその広がりを見せていないようである。
Knocked my socks off with kwnoldege!
投稿情報: Patricia | 2012/05/19 15:30