アニメ夏興行特集2『カンフーパンダ』
さすがのドリームワークス作品
『スピードレーサー』の次は同じくハリウッド作品の『カンフーパンダ』である。感心したのは目のつけ所。北京オリンピックによって巻き起こるであろう中国ブームに便乗しようとする精神は映画人の原点を見る思いだ。こういう企画もあり、なのである。『白蛇伝』でいち早くパンダの存在を知らしめ、その正当なる継承者をして『パンダコパンダ』つくらしめた東映アニメーションこそがこうした企画を立てるべきではないかという気もする。
さて、テレビで大量に流されたスポットを見た上での下馬評ではパンダが可愛くないという声が多かったように思えた。日本でパンダといえば可愛いさがマストである。したがって、『カンフーパンダ』におけるパンダのキャラクター自体が既にアウトなのである。
という先入観を持ちながらオープンしたての新宿ピカデリーでこの作品を見た。素っ気ないつくりは海外のシネコンを思わせるが、10スクリーンもあると松竹系列という感じがまるでしない。ともかく立地がよいので今後お世話になりそうである。
ということで作品を見たのであるが、これが意外と面白いのである。さすがにドリームワークス、エンタティンメントのツボは外していない。アメリカではBOX OFFICE$210,882,410で今のところピクサーの『WALL-E』の上にランクされており(多分抜かれると思うが)、海外の$154,132,142と合わせて世界で$365,014,552という数字は立派な「便乗」振りである。3Dアニメの世界は当分ピクサーとドリームワークスの二強体制は揺るがないように思う。
時にドリームワークスはどうやらパラマウントから離れたとのことである。インドの企業が投資して新ドリームワークスを設立、スピルバーグとゲフィンはそちらに移籍するようである。カッツエンバーグはドリームワークス・アニメーションの方に軸足があるようだが詳細がわかるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。
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