『凡人として生きるということ』押井守(幻冬舎新書760円税別)
『スカイクロラ』関連本その2〜非凡なる凡人論
前回紹介した『他力本願』と同じ日(奥付)に発刊されたのがこの『凡人として生きるということ』である。こちらも読売新聞の原田康久氏によって構成、編集されているが、ひょっとしてワンソース・マルチユース?なのであろうか。
『他力本願』にしても『凡人として生きるということ』にしても、今までの押井守氏が持つイメージとはかけ離れているし、映画監督が書きそうなタイトルでもない。敢えてこのようなネーミングにしたのは、やはり止むに止まれぬ思いがあったからであろう。
内容は一種の青春論であり精神論、人生論でもある。それも相当真っ直ぐの直球であり、アニメージュ連載の「富野に訊け!!」の後任に如何であろうと思わせるものがある。「オヤジ論」「自由論」「勝敗論」「セックスと文明論」「コミュニケーション論」「オタク論」と展開されるその論理はまさに押井哲学の神髄であろう。非凡なる凡人による凡人論である。
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