アニメと音楽のビジネス関係(8)〜キティレコードの場合
現在のように音楽産業が本格的にアニメ主題歌を楽曲のプロモーションウィンドウと考えるようになったのは1980年代初頭からであろう。ゴダイゴの『銀河鉄道999』などがあるが個人的には1983年に杏里が唄った『CAT'S EYE』の印象が強い。明確にタイアップと理解できたのである。
といいながら私がいたキティレコードも製作していた『うる星やつら』を自社楽曲のプロモーションウィンドウとしていたことは否めない。最初の『ラムのラブソング』こそ主題歌といえる内容であったが、それ以降はほとんど直接的な関係はなかったと言えるだろう。
話は少し逸れるが『うる星やつら』に関して言えば、松谷祐子、詩織、松永夏代子、ミミちゃん(小林泉美)、成清加奈子、CINDY、ヘレン笹野、ヴァージンVS、南翔子、などとは直接面識があったのが、彼女/彼らもアニメというよりはテレビ番組の主題歌という意識であったように思える(ステファニーとリッツの記憶がない)。
松谷はキティの創業者の一人であるYさんが連れてきたと記憶している。彼女は当時私が働いていたキティアーティストというプロダクションの所属ではなくキティミュージック預かりであったのでそれほど交流はなかった。
それに対し、詩織、成清加奈子、CINDY、ヘレン笹野、ヴァージンVS、南翔子などはキティアーティストの所属ということもありでそれなりの交流があった。また、ミミちゃんも高中正義のバックを務めていたこともあり気軽に声を交わしていた。
詩織は会社の先輩でつのだヒロとスペースバンドのマネージャーなどをやっていたHさんが発掘したファニーボイスの女の子であった。ヘレンはハーフでありながらアメリカ育ちということもあり、私と同期のマネージャーがラーメンをすするときの音が許せないとよく怒っていた。南翔子はワイルドワンズの後期に参加した渡辺茂樹チャッピーの妹である。彼女の『殿方ごめん遊ばせ』は今でも好きな曲だが、そのキャンペーンのイベントの人集めに失敗して彼女には迷惑をかけてしまった。申し訳ない。
成清は確か熊本の出身のはず。同僚の細川美由紀という女性(小栗旬を見出したがブレイクする直前に癌で亡くなった)がマネージャーをやっており、その後の方向性をどうしようかと悩んでいたことを覚えている。
CINDYは在日コリアンであったがインターナショナルスクールに通っていたこともあり英語が堪能であった。ステービー・ワンダーに気に入られ曲を書いて貰ったりしていたが、私は彼女の自作である『INSIDE OF YOUR LOVE』が大好きであった。その後、中山美穂に楽曲を提供してりしていたが十年ほど前に脳腫瘍のため帰天してしまった。娘さんがいたはずだがどうしているのだろう。
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