Vol.6〜第一部手塚治虫とマンガ〜第一章マンガ大国ニッポン
引き続き各国のマンガ状況である。
〈イタリア〉
イタリアに関してはデータが乏しくコミックの刊行点数と発行部数程度しかわからない(ジェトロ「イタリアにおけるコミック・アニメ市場基礎調査」)。この刊行点数はドイツの1/3以下である。それによると、2005年におけるコミックスの刊行タイトル数は203点、総発行部数は897,000部となっている(イタリア出版連盟)。
〈ドイツ〉
ドイツに関してもデータに乏しくほとんどコミック市場の実態が把握できない状況にある。『出版年鑑2006』版による2004年の刊行点数のデータしかないがこれによると日本の7%程度である。
〈スペイン〉
2005年のスペインにおけるコミック出版点数は1,139点、発行部数は1,388万部である。スペインの総出版点数に対する割合は1.64%、総発行部数に対する割合が4.32%といった程度で数量的にはまだまだ少ない(注ジェトロ『スペインにおける日本のテレビアニメ・マンガ・映画の実態』)。そのような状況の中で近年日本のマンガの人気が高まっておりコミック出版点数の約半分を占めるよになっているが、それでも一番人気のある『NARUTO』であっても初版30,000部で大ヒットと呼ばれるレベルに留まっている。
〈ポーランド〉
社会主義国であったポーランドでコミックは「退廃した西洋文化」の象徴のひとつであった。そのためポーランド人の意識にはまだコミックスに対する否定的な「固定観念」が残存しており、それが市場を拡大できない大きな要因となっている。それもあってか2006年におけるポーランドの書籍流通市場に占める絵本(絵本・イラスト・欧米系コミック・マンガが含まれる)の割合は全体の8.7%(数字は全てジェトロ「ポーランドにおけるマンガ市場調査」による)、金額としては2億500万ズロチ(約92億円)といったレベルである。その中でマンガの売上は多く見積もって400万ズロチ(約1億8,000万円)程度なのでコミックと合わせてもそれほど多くないことが予測される。
はじめまして。
著書読ませて戴きまして、Blogの方も興味深く拝見しております。
この連載のタイトルですが、「ポッポカルチャー」というのは誤字なのでしょうか? もしそのような単語があれば、勉強不足で申し訳ありません。
投稿情報: 青島 | 2008/10/30 01:55