Vol.7〜第一部手塚治虫とマンガ〜第一章マンガ大国ニッポン
最後に韓国のマンガ出版状況である。
〈韓国〉
2007年度における総書籍刊行点数に対するコミックス刊行点数の割合が17.7%、発行部数の割合でも13.7%という数字を見てもわかるように、総書籍発行部数に対してコミックスが占める割合は高い。もちろん、韓国においても日本のマンガの影響が大きく、翻訳書全体の30%弱が日本のマンガという状況である(『出版年鑑2006年』)。
1990年代から韓国ではマンガ家育成教育に力を入れ、自国マンガの比率を高めようとしている。2004年に東京国際アニメフェアで行われたシンポジュウムでの韓国マンガアニメ学会会長孫基煥氏の発言によると、「韓国では国策として1990年代からマンガ、アニメ、映画といったコンテンツ産業に力を入れており、どの国にも見られないほどのスピードで教育体制を発展させてきた。アニメ教育部門に関しては1990年に国立公州短期大学で韓国初のマンガ芸術科が新設されて以来、14年間でマンガ・アニメの専攻まで入れると140ヶ所を越えていおり、韓国全体の三割の大学で約6,600名の学生が学ぶ」とのことである。
おそらく韓国は現在世界で最もコンテンツ教育に力を入れている国のひとつであろう。その成果は映画やテレビの「韓流ブーム」となって結実している。上記の報告にあるようにマンガやアニメにも力を注いでいるので、近い将来「マンガ・アニメ韓流ブーム」が訪れるかどうか注目されるところであろう。
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