Vol.75〜第一部手塚治虫とマンガ〜第二章手塚治虫成功の秘密
マンガ雑誌という特異メディアの存在〜その4
国際的に見ても安い日本のマンガ雑誌
日本のマンガ雑誌は国内ばかりではなく国際的に見ても安い。2002年からアメリカで日本のマンガ雑誌と同じ形態の「SHONEN JUMP」(少年ジャンプ)創刊されたが、アニメで人気が先行している「遊戯王」「ドラゴンボール」「BLEACH」といった大ヒット作品が16余り掲載されて4.96ドル(約446円/1ドル=90円)である。
また、その後同じ出版元であるビズ・メディアから発売された「Shojo Beat」は「NANA」など10前後の少女マンガが連載されている5.99ドル(約531円)である。
一方、単行本であるが、「スパイダーマン」などアメコミの一話読みきりスタイルのパーパーバックが4ドル(360円)から15ドル(1,350円)、ハードカバーのグラフイック・ノベルと呼ばれるビジュアルブック形式であれば25ドル〜30ドル(2,250円〜2,700円、但し再販価格ではないので実勢価格はその60〜70%)である。
従って、ジャンプ連載マンガの単行本が410円で買える日本は国際的に見ても安いのである。最近アメリカでも日本のようなコミック形式の本も出回るようになって来たが、売れている「NARUTO」でも7.95ドル、フランスでも5.65ユーロ(約650円/一ユーロ=115円)する。
このように、日本のマンガは雑誌、単行本共に先進国の中では圧倒的な経済性を誇っていると言える。これは部数との見合いになるが、もし海外でもこの経済性によって発行部数が増えれば、アニメ同様日本のマンガが世界を席巻する可能性は十分あるだろう。
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