Vol.74〜第一部手塚治虫とマンガ〜第二章手塚治虫成功の秘密④ マンガ雑誌という特異メディアの存在〜その4 マンガ雑誌の経済性 マンガが手塚治虫の出現によって「物語」を伝える「器」となった経緯の中で、見逃せないのが抜群の経済性である。これは月刊誌時代からの伝統であるが、大体が子どもの小遣いで買える価格設定となっていることが普及の大きな要因であろう。 例えば「少年ジャンプ」は240円。「ONE PEACE」「NARUTO」「BLEACH」などの人気連載をはじめ20前後マンガが掲載されている雑誌がこの価格で買えるることを考えると、他の映画、音楽、小説といったエンタティンメントメディアから比べてもずば抜けて割安である(現在ある男子児童・少年向けマンガ週刊誌4誌もほぼ同価格)。 また、現在男子児童・少年向けマンガ月刊誌は最低390円、最高780円、平均534円となっている。女子児童・少女向けマンガ雑誌は、週刊誌は1誌のみで290円、月刊誌24誌(最低290円、最高690円)は平均460円で男子よりも安い価格設定となっている。他のエンタティンメントと比較してもやはりマンガ雑誌のコストパフォーマンスは抜群によいと思われる。
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