〈手塚治虫とアニメ〉アニメの繁栄を築いた手塚治虫
手塚治虫以降のアニメ10〜後続者の登場
アトムの大ヒットによりTVアニメへの新規参入が相次いだ。TCJ(現エイケン『鉄人28号』『エイトマン』)、ピープロ(『0戦はやと』)、東京ムービー(『ビッグX』)、竜の子プロダクション(『宇宙エース』)、などが続々とTVアニメの制作を開始した。
また最大手の東映動画もアトムの成功を見てTVアニメに進出し(『狼少年ケン』『少年忍者風のフジ丸』)、長編劇場アニメ路線からTVアニメ路線へとシフトしてゆく。このようにアトムに続く新規参入者によって1960年代中盤以降TVアニメの制作数が一気に増えアニメブームが巻き起こったのである。
日本のアニメが商業的発展はこのように『鉄腕アトム』を契機としたTVアニメと共にあったといっても過言ではない。もちろん劇場アニメにおける東映動画の業績も見逃せないが、既述の通り現在製作されているアニメの95%(制作分数)がTVアニメであることからもその事実は容易に理解できるはずである。
〈1960年代TVアニメ新作数〉
1963年(昭和38年)新作数6 『鉄腕アトム』『鉄人28号』『狼少年ケン』など
1964年(昭和39年)新作数3 『0戦はやと』『少年忍者風のフジ丸』『ビッグX』など
1965年(昭和40年 )新作数14 『スーパージェッター』『ジャングル大帝』『オバケのQ太郎』など
1966年(昭和41年)新作数11 『おそ松くん』『ハリスの旋風』『魔法使いサリー』など
1967年(昭和42年 )新作数15 『悟空の大冒険』『リボンの騎士』『マッハGoGoGo』など
1968年(昭和43年 )新作数14 『ゲゲゲの鬼太郎』『巨人の星』『サイボーグ009』など
1969年(昭和44年 )新作数17 『サザエさん』『タイガーマスク』『男一匹ガキ大将』など
(山口康男『日本のアニメ全史』より)
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