『超合金の男−村上克司伝−』(小野塚謙太/アスキー新書980円税別)
バンダイ関連の本をもう一冊。
男の子なら一度は手にした超合金ロボット(但し、年代差がある。私の子ども時代にはまだなかった。次回のコラムで書くがプラモデルが全盛の時代であった。ロボットもアトムと鉄人28号くらいしかなかったが、もし超合金ロボットがあったら夢中になっていたであろう)。
本書は数多く超合金ロボットのデザインを手がけた伝説のデザイナー村上克司氏の秘密に迫る好著である。書いたのはビルドアップ所属の小野塚謙太氏。「月刊電撃ホビーマガジン」での連載をまとめたものである。
ガンプラでと共にバンダイを支え続けていたのが一連の超合金シリーズである。その歴史は1974年の「超合金マジンガーZ」からであるからガンプラより5年以上早い。それをきっかけに村上氏は「勇者ライディーン」「コン・バトラーV」「ボルテスV」「闘将ダイモス」「レオパルドン」などヒット商品を連発、やがて時代の波と共に戦隊シリーズも手がけるようになる。
しかし、この本を読んで感じたことのは「凄いことを考える人」ということである。その発想力は「超絶」といってもよいであろう。特に「ゴーデァン」の「3体合身」などはよくそこまでやるなとしか言いようがない。既に玩具の領域を超えている。
カラー写真が多くビジュアル面でも楽しめるが、同時に村上氏の剃刀のような風貌にも圧倒される。田母神さんより軍人ぽい。昔であったら武将、いや剣術家、あるいは名刀鍛冶といったところであろうか。
コメント