マンガ関連本6〜『サンデーとマガジン 創刊と死闘の15年』(大野茂/集英社新書900円消費税別)
アニメとマンガの関係
昨日NHK総合で『ライバル』という番組をやっていた。その取材を通じてこの本が生まれたということであるが、内容はほぼ全く同じであり本書以上の情報を得ることは出来なかった。そういう意味では本を読んだ方が知識的には得られるものが多い。
ということで著者はNHKの人間である。少し前に読んだ『デジタル・ネイティブ』(NHK出版生活人新書)もそうであったし、取材強力をしたNHKスペシャル「日本とアメリカ 『日本アニメvsハリウッド』」も本になるとのことだそうだ。まあ、それだけ取材をしているということなのであろうがNHKの余裕を感じさせる。
さて、本書に書かれてあるのはサンデーとマガジンの創刊の1959年から全盛時の1970年前後までのことなので50代以上の人間にとってリアルタイムの出来事で私が面白いと感じるのも当然のことであろう。
自分で買った(もちろん親から貰った小遣いに決まっているが)覚えがあるマンガ雑誌は光文社の「少年」くらいのはずだが何故かサンデーやマガジンに連載されていたマンガも非常によく覚えている。寺田ヒロオの『スポーツマン金太郎』も記憶にあるし、元祖消える魔球の『ちかいの魔球』は夢中で読んだ覚えがある。
喫茶店にマンガが置いてある時代ではない。サンデーやマガジンを定期購読していた友だちの記憶はないし、おそらく近所にあった貸本屋で借りていたのであろう(北海道の片田舎にもあったのだ)。サンデー、マガジン登場するマンガのほとんどを覚えているので両方とも借りて読んでいたのだと思う。
創世記の週間マンガ雑誌にまつわる面白いエピソードが数多く登場するが、その中にはアニメに関連する話も多くマンガと密接な関係にあったことがわかる。『巨人の星』のTV化を実現させるためマガジンの名編集長であった内田勝氏は出版業界の外を四方八方飛び回っていたとある。
マンガとアニメのビジネス関係(原作者、出版社、放送局、スポンサー、代理店、製作・制作会社との関係)についてはいずれまとまった研究が出ることを期待したい(アニメ アニメ!に連載の「藤津亮太のテレビとアニメの時代 第5回 各局の夕方再放送枠の使い方」が面白い。このような研究の延長上にマンガとのビジネス関係が探れると素晴らしい)。
http://animeanime.jp/special/archives/cat192/index.html
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