音楽関連本2〜『俺はロッキンローラー』(内田裕也/廣済堂文庫648円税別)
ユーヤさんの想い出
ほとんどアニメとは関係がないが面白い本なので紹介しておきたい(というか趣味の世界です)。本書は1976年に出版された同名の本の文庫化である。30年以上の時間が経過しているがその多彩な交友関係を含め十分楽しめる(のはある程度年配の人間だけです)。
ユーヤさんといえば『おくりびと』のモッくんの義父であるがその映画に対する貢献度は多大なものがある。その滝田洋二郎監督を『コミック雑誌なんかいらない!』起用したのがユーヤさんである。
あれは多分1981年頃のことであったと思う。ある日ユーヤさんが何故かフォーク・シンガーの上条恒彦と連れだってキティレコードの社長の多賀さんに会いに来た。そのことを白竜に伝えると(当時彼のマネージャーをやっていた)、一瞬間を置いて笑い出した。
「そりゃ上條恒彦じゃなくて、崔洋一さんだよ」
思えばどうも用向きは『十階のモスキート』への出資要請だったらしい(どこかで昔の上條恒彦と崔さんの写真を見て下さい。よく似てます)。ジュリーやBOROのようなミュージシャンもそうだがユーヤさんにお世話になった監督や俳優は数知れない。
ユーヤさんの想い出は結構ある。白竜がユーヤさんに可愛がられ浅草の国際劇場やその後パルコ劇場で開催されたニューイヤー・ロックコンサートに出演した際によくお見かけした。安岡力也以下の軍団を引き連れ闊歩していた光景が懐かしい。
反核運動が盛り上がった頃、マネージャーの白川さんを通じてユーヤさんに反核コンサートのコーデネイトもお願いしたこともあった。そのユーヤさんも古希を迎えられる御年となった。ユーヤさんに対しそろそろ正当な評価が与えられてもよいうのではないだろうか。
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