マンガ進化論2(中野晴行/P-Vine BOOKS1,600円)
『マンガで見る共産党』でも出しますか
もしマンガが大人の世界に足を踏み入れたのが週間マンガ雑誌発刊以降であったとしたら、その時こそ日本が世界に誇るオタクの出現が約束されたのである。それにしても、なぜ日本だけがこの禁断の地(大人の領域)に立ち入ることが出来たのであろう。これは研究のテーマとして価値は十分値あるのではないだろうか。
また、諸外国もここを研究すれば自国のマンガ、アニメ産業を振興させられるのではないか。来週からいよいよはじめようと考えている中国アニメ産業紀行であるが、彼の国もそこを押さえない限り発展は難しいように思える。手はじめに大人向けの『マンガで見る共産党』『マンガで見る毛沢東』など出版してみては如何か。
ここでひとつ。本著で述べられている映像化における原作の取り扱いについてであるが、「映画の原作に印税制が採用されたのは、つい最近のことだ」「(増田注:原作の)内容や設定が変えられても文句ひとつ言えなかった)とあるが、前者については内訳を明確にした方がいいのではないかと思う。
何らかの原作を映画化する場合、その映画化権料は通常払いきりである。それが興行収入と連動することは日本ではおそらくほとんど例がないであろう。私も原作取得の経験が何度かあるが、映画化権やテレビ化権といった映像化権の場合は今でも払いっきりである(そういえば、時かけの原作獲得も担当しました。電話で金額を提示した時はさすがに胸がドキドキしたが、「もうちょっと色をつけてよ」と先様に言われ逆に交渉の糸口が見つかってホッとした覚えがある)。中野さんのいう「映画の原作に印税制」というのは二次利用の場合のことであると思うのだが、やっぱり終わりそうもないので明日に続きます。
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