『僕が2ちゃんねるを捨てた理由〜ネットビジネス現実論〜』(ひろゆき/扶桑社新書740円)
なるほどお清めの塩ですか
ご存じ2チャンネルのひろゆき氏であるが、彼が2チャンネルを売却したとはこの本を読むまでしらなかった。まあ、そのへんの決断を含め興味深い人間であるのは確かだ。
前著『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか』を読んだ時に受けた印象は、知能は高いがモラル的にフリーなのではないかというものであった。ところが、今回は随分と違って真っ当な意見を持つ人間という感じがした。とは言うものの、いい意味でも悪い意味でも彼のロジック(実は感性)の根本には、小学校時代お弁当のゆで卵に葬式のお清めの塩が付いていたという体験があるように思える。
ケータイ電話で映像配信をやっている人間としては大変勉強になった本である。ネット企業の問題点、動画配信のコスト構造、フィルタリングに対する考え方、テレビに代表されるマスコミの将来像など、どれも示唆に富んでいる。
第2日テレを立ち上げた土屋敏男氏との対談も面白い。有料課金モデルに限界を感じ広告モデルにしたとあるが、果たして実情はどうなのか。単なる個人的な興味であるがまだまだ苦戦が続いているらしい。
我がQTVビデオはどうかといえばなかなか善戦していると言えるかも知れない。昨年ドーガ堂というケータイサイトを縁あって吸収した。今年に入りTSUTAYA ON LINEとの提携、そして今月は「QTVディズニー・チャンネル@PLAY」というディズニーサイトをスタートさせた。また、5月はBeetvの大宣伝効果で思わぬ売り上げ増となった(iモード全体をショッピングモールと考えると、その中の一店舗が大宣伝するとモール全体に人が押し寄せる、といったような構造になっているんですね)。
最後は宣伝になってしまったが、いずれケータイ動画配信についてもレポートしたい。
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