政府関係面談
石景山の視察後、私は所用のため帰国してしまったのでこれ以降写真はない。残ったメンバーは経産省と共に中華文化促進会、国際版権交易中心、広電総局ラテ局、文化部といったアニメ産業においてキーとなる政府関係部署とのミーティングに臨んだ。後程聞いた話であるが、それら一連の話し合いの中で感じられたのは、今まで力を入れていた重工業やIT産業、新技術産業の育成から環境エネルギー産業、文化産業へのシフトが大局的なレベルではじまりつつあるということで、既述した中国政府の方針が既に浸透しているようである。
そして、アニメ産業に関していうならば、政府内において今まで広電総局が主体となって育成のイニシャティブを取ってきたが、ここにきて文化部もそれに手を上げかなりの投資を考えているとのコメントがあったそうだ。担当者によるとその投資総額は日本円にして2,000億円にのぼるという話で(白髪三千丈という話もありますが)、日本に置き換えれば兆単位のスケールとなる。真偽のほどはわからないが、もし本当ならばどこにどのように投資するのであろうか。
作品に直接投資するなら、これまた制作バブルが復活する規模であるが、もちろんつかい切れないのでハコモノなどのへ流れると思われる。中国では「党管幹部」(共産党が幹部を管理する)といった制度があり国有企業のトップには各省庁のトップクラスが任命されるケースが多いと聞くので、おそらくこの資金もそれら幹部が仕切る企業に流れるのではないかと推測される。
ちなみに、政府としての著作権制度に対する取組も佳境を迎えているようで制度的な不備はほとんど解消されたとのことである。その結果、侵害案件についても訴訟でそれなりの成果を得られるようになり、侵犯者に対しても相応の処罰が科せられるようになったらしい。
コメント