ニコロオデオンの中国進出
現在、中国に単独進出しているアニメ企業は幾つかあり。だが、聞けば何れもそれなりの苦労があるという。ハリウッドのメジャーならいざ知らず、日本のアニメ企業が単独で、しかも中国という国へ進出するのは如何にも難しく、ある種の制度的な保証がなければこれ以上の進展は望めないのではないだろうか。
中国では実際の運用する際は大いに属人的であると聞くが、それでも制度的な取り決めのあるなしでは雲泥の差であろう。今まで中国に対し一部企業を除き無視傍観といった感じの日本のアニメ産業であるが、今後の世界・アジアの経済動向を考えると既に無視できる状況ではないのは明らかである。困難は予測されるものの制作のみならずあらゆるビジネス領域において協業への途を探るのもひとつの手ではないかと思う。
また、一番手っ取り早い協業としては「枠の交換」が効果的であるように思える。例えばバイアコム系のアニメチャンネルであるニコロデオン(Nickelodeon)は、この7月からアジア13カ国・地域で中国のテレビアニメーションに特化した放映枠「China Toon」をスタートさせたが、元々ニコロデオンは自局の人気番組『スポンジ・ボブ』を中国中央電視台(CCTV)で放映させることに成功し中国で高い人気を得ている。
これはあくまで推測であるが、おそらく『スポンジ・ボブ』の対価として中国製のアニメを自局チャンネルで放映するといった駆け引きがあったのではないだろうか。もしそうなら、地上波は無理であってもBS、CSでの放映枠と交換で中国でのオンエアーが可能になるのではないだろうか。中国としては喉から手が出るほど海外進出を欲しているはずである。従って、中国進出を狙うならこの作戦が一番手っ取り早く現実的な作戦であるように思える。
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