明けましておめでと〜ございます(染之介、染太郎の感じです)。
全くご無沙汰してしまったブログですが、取り敢えず再開します。まずは本の紹介から。随分と溜まってしまった既読本の整理です。
『メイキング・オブ・ピクサー』
ディビッド・A・プライス著/櫻井祐子訳
(早川書房09年3月/2,000円+税)
ピクサーを知るための必携書
企業としてのピクサーに言及した書物(ほとんど見かけないが)では一番まとまっているのではないだろうか。ピクサーのみならずアメリカの3Dアニメの発展を知る上で非常に参考になった。その歴史を辿るだけで結構場ボリュームになるのでその辺は勘弁して欲しいが一度手にとって是非確認して欲しい。
『カールじいさんの空飛ぶ家』で10作品連続のヒットを飛ばしたピクサーであるが、これは空前絶後の快挙である。あのウォルト・ディズニーでさえ空前のヒットとなった『白雪姫』以降の作品のBOX OFFICEは結構デコボコがあって苦しんだ。そういう意味でもピクサーの快進撃は奇跡に近い。
ピクサーのライバルといえばドリームワークスということになるのだろうが、存在的に一番近いのはやはりジブリであろうか。いや、近かったと言うべきか。この二つのスタジオは次第にその相違点を明確にしつつある。
徳間から独立したジブリ。かたやディズニーに吸収されることを望んだピクサー。相変わらず宮崎監督作品がベースとなっているジブリに対しラセターが監督からプロデューサーに回ったピクサー(しかもポニョは全部手描きで行っちゃったし。まあ、そちら方面への「進歩」と言えなくもないですが)。クリエイティブに対するマインドは近い物の、この両社を見ているとエンタティンメント・ビジネスにおける日米の考え方の違いが浮かび上がる。
とは言いながら最近ジブリのビジネスに変化が生じているように思えてならない。今年の『借りぐらしのアリエッティ』に続き、来年も作品が用意されているらしい。久しく作品から離れていた巨匠の企画も動き出していると聞く。そんなジブリをビジネス的に一度アプローチして見たいと思っているが、きっと嫌われるんだろうな、ジブリの人たちからは。
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