『憂鬱と官能を教えた学校』1
【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史
菊池成孔+大谷能生
(04年9月/河出書房/税別3500円)
バークリーとは
前回紹介した『アフロ・ディズニー』の作者により本である。本職はご両名共にジャズ演奏家であるとのことであるが、誠に失礼ながら音楽の方はまだ聴いていない。
バークリー(昔はバークレー音楽院と言ってました。今はバークリー音楽大学)とはボストンにある商業音楽の理論を教える学校である。この名前を聞くと思い浮かべるのはナベサダさんである。
若い人は知らないだろうが、かなり人気があったサックス奏者である。ラジオで「ナベサダとジャズ」という番組をやっており、オーティスの『Shake』ではじまるオープニングは忘れられない。
この渡辺貞男さんが日本のバークリー理論の布教者であった。それ以来、バークリーに多くの日本人が留学するようなったがほとんどジャズ畑の人たちで、異色?な卒業生といえばかの田中公平氏であろう。
バークリーの歴史的評価としてはクラッシックしか教える学校がなかった時代にジャズやポピュラー向きの音楽理論を打ち立てた事にあるだろう。今では日本でも山の様にロックなどを教える音楽専門学校があるが昔は流行音楽を教える教育機関はなかったのである。
(以下、続きます)
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