『音制連20年史』
社団法人音楽制作社連盟
(07年1月音制連/税別3,000円)
音楽業界暗闘の歴史?
非売品ではないが、手に入るだろうか?お店で売っている訳ではないし、アマゾンの中古にもない。直接連絡して譲ってもらうしかないようだ。済みません、こんな本を選んで。
音制連をご存じであろうか。アニメと深い関わりのある、かの81プロデュースの南沢さんが理事長をやっている音声連ではない。言うなれば音楽プロダクション(J-POP系の)の集まりである。
その音制連が設立20周年(06年)を記念して出版したのがこの本である。1980年代以降の音楽における権利(利権?)について詳しく書かれてあり興味深い。アニメビジネスを学ぶ上でも大変参考になる本である。
事の起こりは貸しレコードであった。80年代はじめから爆発的に広がった貸しレコードに対し報酬請求権が設定され、その徴収団体にならんがために生まれたのが音制連であった。この場合、徴収の対象となるのはその団体の性格からして著作隣接権、主にレコードの二次使用(著作権法95条を読んで下さい)における実演家の権利に関わるものである。
貸しレコードの報酬請求からスタートした音制連であるが、その後商業用レコードの分配比率、私的録音録画補償金などに取り組んでいく。その過程で繰り広げられる芸団連との激闘?の歴史は音楽ビジネスマンの権利に対する飽くなき希求から来るのものであろう。
昔と言っても10年くらい前のことであるが、とあるアニメスタジオ(良心的な作品づくりの国民的スタジオ)の人間が、「音楽界の連中は権利と金の話ししかしない。吐き気がしそうだ」と言ってるのを耳にしたことがある。
思わず「済みません、私、音楽界出身のものです」と言おうと思ったというのはともかくとして、世の中的に見ると、どちらかというと音楽界の方が普通のビジネスをしているのではないかと思うが、アニメ業界ではそうした考えが伏流として流れているのは確かだ。
それはともかく、創立からずっと幹部メンバーである寺本さんが書いたこの本には重みがある。組織とはこのように伸張、発展して行くという見本であろう。是非手に取ってと言いたい所だが、入手はちょっと難しいかも知れない。
(蛇足ながら・・・)
音制連の理事など役員のメンバーを見ると、ホンと移り変わりが早いですね。それに対して音事協は相変わらずの顔ぶれです。動画協会はどちらかというと音事協ですかね・・・
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