『次に来るメディアは何か』河内孝
(10年1月/ちくま新書/740円税別)
メディアの未来像は?
前回紹介した佐々木氏と同じく河内氏も毎日OBである。やはり、会社が傾くと外に出て行く人が増えるのは以前いた会社での経験から考えても自然なことである。世の中に西武OBが多かったりするのも同じような理由によるものだろうが、リクルートのように積極的に独立を勧める会社は日本社会でまだ珍しい。
この本も佐々木氏同様、まず新聞の凋落現象を述べるところからはじまっている。まあ、これはもう社会的認知をほぼ得るに至っているのであろう。それでも、さほど深刻に感じられないのは当の新聞社が余りそれを言ったりしないからであろう(系列のテレビ局も)。
表現の自由、報道の自由という割には新聞もテレビも自分の都合の悪いことは余り伝えたがらないようで、その最たるものが「記者クラブ」であろう。上杉隆氏の『記者クラブ崩壊』(4月6日発刊/小学館新書)を取り寄せて一気に読んだが、記者クラブたるや「伏魔殿」に近いものであることがわかる。
是非一読して欲しいと思うが、この様な「報道規制」がなされていたことほとんどの国民が知らされてなかったのも、当事者である大マスコミが一言も言わなかったからである。記者クラブが崩壊、あるいは完全オープン化されると情報の独占が崩れ既存のマスコミの存在感がますます薄れて来るであろう。その意味でもこの時期における記者クラブ制度の終焉(大新聞、テレビ局は強行に抵抗するであろうが)は何だか象徴的である。
ということで、話があっちに行ってしまったが、この本で語られているのは、メディアの将来がどこに行き着くのか。その答えの一つとして挙げられているのがメディア・コングロマリットである。
ハリウッドメジャーはもちろんのこと、日本のメディアの動向についても語られている。そして、今後どのように再編されてゆくかについて独断であると断りながら大胆な予測をしている。
それによると、日本のメディア界は四大メジャーと二つのユニークな独立グループによる六グループになるとのこと。その内訳は本書を買って読んで下さい。面白いです。
(蛇足ながら・・・)
そう言えば、放送と通信の融合という言葉が聞かれなくなりましたが・・・。そんな事言ってる場合じゃないですね、もう・・・
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投稿情報: impotenta | 2010/04/13 02:00