映像パッケージの行く末は
音楽産業の動向を見てきたが、なるほど凄まじいほどの変貌振りである。100年以上かけて成長してきたパッケージメディアがわずか10年ちょっとで1/3強になってしまったのである。
特にアメリカを見ていると完全にiTunesを中心とした配信に主軸を移行している様が伺える。もうパッケージメディアに関して悪あがきはせずにホールドアップ状態ではないか(パッケージ販売世界一の日本はその点まだまだ頑張っているが)。
問題なのは配信メディアがパッケージの減少をカバー仕切れていないということ。98年から総売上がほぼ半減してしまったことがそれを雄弁に語っている。そして、この音楽界の傾向が映像と無縁かというと決してそうではない。それはエンタテイメント映像ビジネスに携わるものなら誰しもが感じていることであろう。
パッケーから配信へはAppleがはじめたiCloudなどのサービスでさらに加速しそうである。これにより「レンタル」「セル」というのは形の有るものを借りたり所有するというのではなく、クラウドにあるデータへの「アクセス権」となるであろう。料金は期間限定か永久かという違いになってくるはず。
現状レンタル料金が主流である配信サービスがセル=永久アクセス権も行えるようになると価格は上昇するであろう。またHDMI端子による大画面高画質サービスが普及すればこれも価格上昇の要因となるであろう。ブルーレイまだ元気な日本では少し時間がかかるかも知れないがその日がくるのは意外と近いのでは。
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