『アニメビジネスがわかる』について3
この文章を書くために日記を読み返していたら、アニメ産業に関する試論を書きはじめたのは2004年であることがわかった。1年間違っていました(笑)。人間の記憶は当てにならない。
それから行きつ戻りつしながら2006年から本格的に書くようになった。当初は自分の考えをまとめるために書いていたが、まとまってくると段々出版したいなどという欲が出てくるものである。その当時、この種のものを出版する可能性がありそうなのは、先駆けともいえる『アニメ・ビジネスが変わる』(1999年)と『進化するアニメ・ビジネス』を著した日経BPくらいだが、この頃は途絶えていた。
そこで目を付けたのが、『日本アニメーションの力』『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』『「コマ」から「フィルム」へ マンガとマンガ映画』など意欲的なアニメ研究本を出版していたNTT出版である。今考えると全て植草編集本である。NTT出版とは、彼らが出資しマッドハウスが制作したOVAの『ファイナルファンタジー』(りんたろう監督)の海外番販をさせてもらおうと思って一度アプローチしたことがあるが、担当が異なり出版に関しては全く伝がなかった。
そこで、真っ正面から原稿を持ち込んだのである。それが2006年の7月であった。内容が産業論なのでどうかなと思ったが、思いがけず検討して見たいという返事をもらった。植草氏からである。しばらくして、編集会議を通ったという連絡があり、原稿を見直して翌年に2月に出版という話と相成った。
ところが、色々考えた結果、見直しどころかほとんど(自主的に)書き直すことになって2007年2月が7月となってしまった。これが『アニメビジネスがわかる』発刊までの経緯である。
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