『もっとわかるアニメビジネス』解説〜第一章アニメーションとビジネス11
アニメスタジオの存続・継承〜日本4
前項まで述べてきた経緯で行けば、日本のアニメ企業はどうなるのかということになるが、もちろん『もっとわかるアニメビジネス』の一章で書いたのは今日までの歴史である。未来のことは書かれていない。
予測というのは非常に難しく、楽観的な視点で述べれば、はずれた場合かなりの非難を受ける。逆に悲観的な視点であれば、はずれれば、はずれて良かった、当たれば当たったという言い方が出来る。
という前振りをした上でアニメ企業の未来を述べれば、以下のようになるのではないか。
1) 系列化、資本の集中が進む(グローバル化するはずの市況の中である種当然の帰結)
2) 反面、今まで通りの中小スタジオも存続する(市況に応じてであるが)
両方とも、もちろんアニメ産業の市場が現状のまま続くという前提のもとで言えることである。ただし、60年代以来、ずっと右肩上がりできた状況も、他のコンテンツ産業同様ピークを迎えたようなので、楽観は許されない。
『アニメ産業レポート2011』で算出した2010年の数字は前年を上回っている。ブルーレイが検討したパッケージが前年比売上増となっているので、業界(アニメ製作・制作に関わる企業)・産業全体(小売りも含む産業全体)でも前年度比アップは納得出来る。
この2009年が、ピーク(2006年)以降のボトムとなるのか、あるいは今後更に厳しくなるか、まだ予断は許されないが、9月13日の日本映像ソフト協会発表によると、2011年上半期における日本のアニメーションの売上(DVD/ブルーレイ)は、一般向け前年比106.8%、子ども向け151.9%と好調。これは、ブルーレイの売上が伸張しているからだが、DVDの時のような旧譜の買い換え需要までは行ってないようだ(昔のアニメをハイクオリティで見てもね、ということであろうか)。
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