なかなか充実していたシンポジュウム
手前味噌な見出しとなったが東京国際アニメ祭2011年が昨日終了した。予てより、展示主体ではなくこういう形のシンポジュウム、カンファランスを中心としたイベントにしたいと言っていたのが今回実現したのだが、動員も結構あったところを見るとそれにりにニーズはあったようだ。以下、自分が企画したシンポジウムの報告。
盛りだくさんなシンポジュウムのメニューの中、三つに登壇した。10月27日(木)13時から、氷川さん、森さんとやった「アニメ産業の現在〜アニメ産業レポート2011」は満員で立ち見も出た。終わったあと、会場に隣接しているアニメショップ(UDX2F、手塚プロ経営)においてあったレポートがドッと売れたそうである。
終わって4Fにあるアニメセンターのスタジオで文化放送のインターネットラジオ出演。パーソナリティは81のプロデュースの赤崎千夏ちゃん。可愛かった。アニメ祭の告知等20分ほど話をした。
同じ日の16時半から行った「80后、90后が切り拓く中国のアニメビジネス」は、ブロガーの百元籠羊(ひゃくげんかごひつじ)さん、作家の安田峰俊さん、映画専門大学院大学の郭文放君に来て貰っての開催であった。こちらも満員の盛況。事前に3人に集まって貰って打ち合わせしたときには、議論が沸騰し全然まとまらなかったので、予定調和の着地は無理と判断、Let it beで行ったら、まあ何とか流れは出来たのでホッとした。
歴史が古いというわけではなく、中国文化も奥深いというのが実感。終わったあと、百元さんと安田さんに聞いていた人間が殺到し、ずっと話し込んでいたが、80后、90后と日本のポップカルチャーの関係は深いと確信、今後のテーマになると思った次第である。
明くる28日(金)、遂に真打ち登場(私の「もっとわかるアニメビジネス」解説セミナー(笑))。会場に到着したら長蛇の列。えっ、と思って我ながら凄いと思ったら、それは「『Tiger & Bunny』に見るTVアニメの新たな取り組み」の方であった(笑)。で、自分の会場に行くと人はまばら。同じ時間だと勝ち目はないと諦めていたら、パラパラとお客さんが入りはじめ、最終的には8割程度の状況となったのでありがたかった。相変わらず話が長く、質疑応答が出来なかった。
終わって13時からビデオマーケット社長である高橋の「スマートフォンが変える動画の世界」の講演もあった。ファミ通Appにレポートが掲載されているので興味があればどうぞ。身内ながらなかなか面白いです。
http://www.famitsu.com/news/201110/28052774.html
3つのセッションのためにパワポを70枚ほど作成、月曜日に行われる中国エンタテイメント業界人向けのパワポも同時作業だったので、4時から起きて作業をしていたからであるが、終わったときはさすがに少し疲れを感じた。と言いながら、来年もやって見たいという気になったイベントであった。
おまけ
控え室でパソコン作業をしていたら、声優さんのインタビューが聞こえた。色々話してるなと思ってそちらを向いたら外人の金髪お姉さん。完璧な日本語だったの驚いたが、彼女は声優のジェーニヤだった。外人声優のインタビューだったとのことであるが、81の南沢さんが言ってた「声優の国際化」を実感した次第である。
はじめまして。10/27の「アニメ産業の現在〜アニメ産業レポート2011 」に参加とせていただきました。たいへん勉強になりました。ところであのときは時間がなく質問ができなかったのですが、増田さんは最近の深夜アニメのワンクール傾向をどう思われますか。なんか今回のシンポジウムを聞いていてますますそのメリットがわからなくなってきました。CDのオープニングは放送前に注文が締め切られたり、映像は放送終了後に、放送期間の倍もかけて発売され鮮度がどんどん落ちていくという、そんな小さくないデメリットばかりしか見えてきません。それらをしてまでどうしてワンクールになだれ込んでいくのでしょうか。ほんとうに不思議に感じました。いろいろと理由はあるのかもしれませんが。
投稿情報: 相佐和萬 | 2011/11/10 16:17
相佐様
ワンクールもののメリットですね?
実際の制作サイドでワンクールがいいと思っている人は余りいないのではないかと思います。
これは、やはりプロデュースサイドの都合かと思います。リスクを最小限にということでしょうが、それが逆に裏目のスキームに入ってしまっているのではないでしょうか。
腕が縮んだピッチャーじゃないですが、思いっきり真ん中に投げられないのが現状ではないかと思います。とは言え、06年頃に比べ、企画が淘汰され、作品自体のクオリティは全般的に上がっていると思いますが、どうでしょうか。
投稿情報: 増田 | 2011/11/10 17:19
お忙しいのにコメントありがとうございました。たしかに06年時よりも淘汰されたと思いますしクオリティも上がったと思います。これは制作サイドがワンクールもののノウハウをある程度確立させ、かつてが起承転結のうち起結、もしくは起承、だけみたいだったものが、そうではなくなってきたこがあると思います。そしてなによりこちらが馴れたことが大きいと思います。でもこんな25m競争みたいなことばかりやっていると、また違った意味での日本アニメのガラパゴス化が進んでいきそうで心配です。それにSHOPでのOPやEDのCD、さらにはDVDへの対応の仕方はかなり綱渡り的ともいえる状況でここ数年は推移しています。流通業界がこのワンクールへの流れに早急に対応しないと、ブルーレイ特需による売り上げも今後どうなるか自分はとても不安です。それにしても「腕が縮んだピッチャーじゃないですが、思いっきり真ん中に投げられないのが現状ではないかと思います。」というご発言、言い得て妙ですね。
投稿情報: 相佐和萬 | 2011/11/11 00:12