第四章&五章「激動の10年 テレビアニメ篇 劇場アニメ篇」11
ジブリの位置付け1
コクリコ坂の評価
劇場アニメをビジネスモデルの核に据える唯一無比のスタジオ。ジブリは孤高の存在である。そんなジブリの活躍振りは広く知られたところであるが、今回の『コクリコ坂』はビジネス的にはどうであったのだろう。
現在の興行収入はおそらく43〜44億円。年内一杯興行を続けるというので、最終的には45億円以上になるであろう。おそらく今年の邦画ナンバーワンである。
しかしながら、もちろんジブリとしては物足りない数字である。邦画興行収入トップとなった『魔女の宅急便』以降を対象とすれば、『ホーホケキョ となりの山田くん』を例外とし、『おもいでぽろぽろ』『耳をすませば』に匹敵する一番低いレベルとなる。
邦画ナンバーワンとなったものの、今年は50億円を超す実写映画がなかっためであり、かろうじてという印象が強い。もちろん、40数億という興行収入が凄い数字であるのは分かっていても、ジブリにしては、という言葉がつい出てしまうのである。私自身も悪くても50億円は超えると思っていたので、いささかショックな数字ではあった。
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