第七章「アニメ企業研究 海外篇」2
世界的には放送チェーンが有効
前回のアメリカのメディア企業決算を見てもわかるように、配信の時代とは言うが放送がまだまだ有効なのである。逆に、これらのメディア企業では目立った配信事業売上は見られない。
これは、配信事業がまだ明確に事業化されていないということであろう。それよりも確実に収益の上がる放送、特にCATV事業に力を注いでいるのである。
CATVの事業モデルは有料と広告であり、スポンサーも地上波からターゲットの絞りやすいCATVへ移行しているとのことである。動画配信が普及しつつあるとはいえ、まだまだ放送の力は大きい。
これは世界的に見ても同じ傾向であろう。ネットの時代と言われているが、新興国などを中心にまだ放送の需要は強い。アメリカのメディア企業は世界中のCATVの放送チェーンを築くことで収益の基盤を強固にしている。
それに比べて日本のエンタテイメント流通は点でしかない。線になっているのはパッケージゲームくらいなものである。圧倒的に弱い流通網をどうにかしない限り海外での躍進はあり得ない。
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