第八章「アニメ企業研究 国内篇」8
アニプレックスの時代2〜アニプレになってから
ソニー・カルチャーエンタテイメントが親会社になるのに伴い、社名が「アニプレックス」となる。社名や親会社の資本が何回も変更となり、企業的には結構目まぐるしい変遷を遂げたアニプレではあるが、どうしてなのか。
以下推測であるが、それは、要するに『るろうに剣心』以降、ヒットに恵まれなかったからではないかと考えられる。ビギナーズラックに近い形であったこの作品の他に、当時のアニプレが製作に関与していたのは、ライセンスものの『スノーマン』『ウォレスとグルミット』『ピングー』など以外に、『ワイルドアームズ』『GTO』『3丁目のタマ』『はれときどきぶた』『どっきりドクター』『キョロちゃん』『王ドロボウJING』『新・キャプテン翼』『ポポロクロイス』『スパイラル〜推理の絆』『炎の蜃気楼』『学校の階段』『Arc The Lad』といったラインアップ。
見てもわかる通り、作品傾向もキッズファミリーものも結構多く、路線的に多彩、悪く言えばバラバラである。それはそれでいいのかも知れないが、結局るろうを超えるヒット作品はなく、社名変更、資本変更は、ある意味低迷期に突入していた時期の所産と思われる。
HPの社史には、アニプレ以前(2003年以前)のこの時代の代表作として載っているのは、『るろうに剣心』と『BLOOD THE LAST VAMPIRE』だけであるが、後者は先鋭的作品として世の耳目を集めたが商業的にはそれほど成功は収めていない。といった事情からもわかるように、るろう以降のビジュアルワークス結構苦しい状況にあったものと思われる。販社機能を持っているのでNARUROなどの販売をやって糊口をしのいでいたという感じであろうか。
コメント