第八章「アニメ企業研究 国内篇」9
アニプレックスの時代3〜アニプレブレイク
るろう以降、不遇を託っていた?ビジュアルワークスであるが、この時期に活躍していた生業を同じとする同業他社のパッケージメーカーといえば、まずバンダイビジュアルであり、ジェネオン(その頃はパイオニアLDC)であり、キング、VAPといった面々であった。
特にバンビジの勢いは凄まじいものがあり、一連のガンダムシリーズ、の他、『甲殻機動隊』『天空のエフカローネ』『COWBOY BEBOP』といったクールアニメ先鞭をつける一方(ついでながら、『メトロポリス』『イノセンス』『スチームボーイ』もバンビジプロデュース。この作品群でクールアニメの頂点を極めるが、いずれも資金回収が困難であったためその後の不振の一因となっていると思われる。私事ながら『メトロポリス』ではお世話かけました)、『逮捕しちゃうぞ』『ああっ、女神さまっ』『サクラ大戦』『カードキャプチャーさくら』といった、いわゆる萌え系でもしっかりマーケティングしていたのである。
その当時、客観的に見てもバンビジとビジュアルワークスの差はかなりのものがあった。もちろん、パイオニアLDC、さらにキングレコード、VAPと見比べてもメーカーとしての印象は格段に見劣りしていた。確たる路線がつかめず、プロデューサーごとに好きなことをやっている様にも見えたのである。
そして、そんなビジュアルワークスが一変する日が訪れるのである。奇しくも(あるいは意図してかも知れないが)アニプレに変更した年に重なるのであるが、躍進のきっかけになる作品が2003年にリリースされる。そのタイトルは『鋼の錬金術師』であった。
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