2011年アニメビジネス動向回顧12
【10大ニースNo.4:変わる業界地図8〜新興勢力の台頭5】
2000年代以降に誕生した新興勢力4/2011年〜
ここ10年間に設立されたスタジオを追ってきたが、いよいよ最終回。昨年出来たスタジオ誕生したスタジオである。他にも独立したスタジオでまだ浮上していないものなどあるかも知れないが、ここでは元請であるスタジオを紹介する。
2011年に設立されていきなり元請を担当するということは、余程それまでに実績があった人間がいなければならない。そういう意味で昨年誕生したスタジオは三つとも実力者揃いである。
まず8月に誕生したのが「ウルトラスーパーピクチャーズ」。グッドスマイルカンパニー、マックスファクトリー、ブシロード、ニトロプラス、ピクシブといった勢いのある会社が株主となったこのホールディングカンパニーの下に先ほどのオース、サンジゲン(2006年3月)、トリガー(2011年8月設立)、といった制作スタジオが傘下としてある。
サンジゲンはフリーでミルキーカートゥーンの仕事を行っていた松浦氏がゴンゾを経て背景のスタジオイースターが出資で設立したCG制作会社。トリガーはガイナックスの大塚氏、今石氏が設立したアニメ制作スタジオ。サンジゲン、オースは作品実績があるがトリガーはまだない。
統治形態がどのようであるのかはわからないが、ウルトラスーパーピクチャーズの代表はサンジゲンの代表でもある松浦氏が兼ねている。行く末はまだわからないが期待感を十分持たせる面子ではあるが、荻窪では多分一番家賃が高いインテグラルタワー(17階)に入居していると聞くと、申し訳ないが大丈夫かなと余計な心配をしてしまう。あそこでスタジオ維持するならフル稼働で働かなければならないので大変だろうなと、期待値が高い分だけつい思ってしまったりする。
次はマッドハウス系である。今年独立したのが「MAPPA」と「MAP(地図)」。一字違いの発音であるが、前者は創業者の丸山氏が立ち上げたスタジオ、後者は細田監督とマッド斎藤プロデューサーが独立して設立したスタジオである。
MAPPPは4月Aら渡辺信一郎監督の『坂道のアポロン』、MAPは今夏の『おおかみこどもの雪と雨』の制作が決定している。MAPPは阿佐ヶ谷、MAPは高円寺に居を構えているとのこと。マッド発の両社とも今後の動きが注目されるところである。
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