2011年アニメビジネス動向回顧19
【10大ニースその10:中国アニメ政策転換へ?】
破竹の勢いだった中国アニメだが
2000年代に入って、まさに昇竜の勢いで制作分数を増やしてきた中国アニメであるが、ここに来て幾つかの問題が露呈しつつあるようだ。
ひとつは、何と言っても実績が出ていないということである。つくれどもつくれども喜羊羊以外ヒット作品が出て来ない。そもそも、ビジネスモデルがないこと自体が大いに問題なのであるが、それにしても人気の出る作品が生まれてこない。
このことについては政府の担当者も気がつきはじめているようである。昨年末会った中国政府の担当者は今までになく真剣にこの問題を捉えており、何らかの動きがあるのではないかと思う。
そして、この問題以外に中国のアニメ製作に重要な影響を与える動きがここに来て出はじめている。それは不動産の下落傾向である。バブルと言われても仕方のない状況にあった不動産売買が、ここに来て様相を変えつつあるのだが、もしかつての日本のようなバブル崩壊が起こればその影響は深刻である。
中国のアニメ業界を支えているのは政府と不動産マネーであることは否めない事実である。それが途絶えるようなことでもあれば中国アニメの製作数は激減するであろう。
不動産バブル崩壊が決まった訳でもないので決めつけることは出来ないが、例えそこからの資金がなくなっても自立出来るビジネススタンスを中国のアニメ業界は考えておかなければならないであろう。
と言いながら、先日浙江大学の先生から頂いたメールによると、2011年の中国アニメの制作分数が261,224分で前年度18%アップ!とのこと。既に日本の3倍となっている。まだまだ勢いは衰えてないようであるが、果たして今年はどうなるのか?
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