(2011年1月/トキワ壮プロジェクト/3,150円)
「マザーコンテンツ」の創り手はいかに育つのか、というサブタイトルが付いたこの白書を知ったのはネットで偶然遭遇したからである。トキワ壮プロジェクトという名前を聞いて(正式には特定非営利法人NEWVERYトキワ壮プロジェクト)、一瞬怪しい感じを受けたが、取り敢えず取り寄せてみたら驚いた。
実にしっかりした白書だったからである。さらに、このプロジェクトは漫画家志望者に向けて都内で低家賃の住宅を供給し、漫画家のための講習会や仕事の斡旋・紹介までしていると知って興味は一気に高まった。
詳しい内容は下記のHPに譲るがなかなか充実した活動振りである。失礼ながらNPO法人でなぜここまで出来るのかと思い、このプロジェクトを設立した山本繁氏の『人を助けて仕事を創る 社会起業家の教科書』を読んだら非常に納得した。
http://tokiwasou.dreamblog.jp/
実にNPOの役割や機能を理解した上での活動なのである。私もそうであるが、日本ではNPOやNGOが果たす役割に対する理解が低い中でこのような実績を上げているというのはもっと評価されるべきであろう。肥大化する行政に変わって「人助け」を事業化させることの意義は大きい。
さて、この『漫画家白書』であるが、優れていると思った点は、対象者を「志望者」「読み切り作家」「連載作家」に分けてその属性・定義を明らかにした上で調査していることである。これが実にわかりやすく、漫画家の実態がよく整理されており非常に参考になった。
ということで、マンガビジネスに興味のある方、この本は面白いです。あと2冊あるので順次紹介します。
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