(2013年4月/板越ジョージ/ディスカヴァー携書1,050円)
掲題の書『結局、日本のアニメ、マンガは儲かっているのか?』はなるほど、いい問いかけで、質疑応答にもしこの質問があったら「Good Question」と思わず言ってしまうようなタイトルだ。著者の板越ジョージ氏は元ジャニーズJr.という異色の経歴の持ち主であるとのことだが、wikiのプロフィールに「1999年アニメ・キャラクターグッズ販売事業のJC Itasho, Inc.を設立する」とあるので、アニメやマンガビジネスには土地勘がある人物である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/板越ジョージ
本書では、「世界で人気の日本アニメ・マンガ。しかし、収益は期待外れ」と見出しにあるように、実は日本マンガ・アニメは喧伝されているほど儲かっていないと喝破している。要するに人気の割には儲かっていないということで、あろうがこれに関しては拙著『もっとわかるアニメビジネス』に書いたように全く同感である。
パリのジャパンエキスポやロスのアニメエキスポなどを筆頭とする世界中のマンガ・アニメイベントで、それに参加する外人のアニメコスプレ映像が日本にも紹介されている。また、最近日本のバラエティ番組に登場する達者な日本語の外人にもアニメファンが多い。
確かに日本のマンガ・アニメは世界中で人気があり、そのファンは増えている。しかしながら、その割には儲かっていないというのは明確にデータにも出ているのだ。私が座長を務めている日本動画協会データベースワーキングが毎年編集している『アニメ産業レポート』におけるアニメ海外売上は、
02年240億円
04年253億円
05年313億円
06年312億円
07年268億円
08年248億円
09年153億円
10年172億円
11年160億円
12年144億円
という推移となっている。とても現在の海外人気と見合う数字と思えない。
(次回に続く)
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