(1997年/堀田善衛・司馬遼太郎・宮崎駿/朝日文庫/税別500円)
本書は1992年UPUから発刊された単行本の文庫化である。博覧強記の司馬、堀田の両氏から興味深い歴史話が次々と繰り出される。まあ、さすがの宮崎監督も聞き手に回るしかない。歴史好きな人は必読の書であろう。
ここでも、宮崎監督が自己の左翼的政治観を語る部分があり、共産主義はとっくの昔に捨て去ったと言いつつ、日本の共産党とは実に共通店が多いと思える節がある。思想ではなくその体質ではあるが。
まずもってともかく反対。為政者に対して、ほとんど条件反射的にNOを唱える。万年野党の共産党ならその意味合いも分かるが、押しも押されもせぬ与党である宮崎監督が何でも反対なのは、東映労組以来の万年野党気質が抜けていないからか。というかへそ曲がりなのかも知れない。右と言えば左、左と言えば右。
さらに頑固なところもそっくり。ベルリン壁崩壊、ソ連邦解体、中国の経済放棄などを見ても、もはや共産主義をまともに信じている人間はどこにもいない。ただ日本共産党のみと言いたいところだが、今年の夏に選出された新人共産党参議院議員が、先日新聞で資本主義の第一部を読み終えていないと発言していたのには驚いた。共産党って大丈夫なの?
昔から思っていたのだが、共産主義を奉じないのなら日本共産党はいっそ「日本頑固党」と党名を変更しては如何か。何でも反対する頑固なへそ曲がりの支持者の支持を一身に集められるはずだ。党首はもちろん宮崎監督?
次回は、『宮崎駿アニメ映画創作の真相を語る』
コメント