番外編〜映画『夢と狂気の国』
(2013年11月公開/東宝配給/脚本・監督砂田麻実/プロデューサー川上量生、製作ドワンゴ/制作エネット)
公開早々六本木ヒルズで見たが、興行的にはジブリ映画のようには行かなかったようだ。まあ、宮崎監督&ジブリのドキュメンタリーは若干食傷気味の所もあるので、ちょっと新鮮味がないように観客には感じられたのではないか。
監督は『エンディングノート』の砂田麻実、プロデューサーの川上量生という顔ぶれ。製作はドワンゴ、川上量生の初プロデュース作品でもある。ただ、制作のエネットは知らなかった。ネットで調べたら電力関係の会社でどういう因縁なのだろうか。
ポスターの写真よし、スタッフも興味深しということで、期待は高まるのだが、いかんせん宮崎、鈴木に関してはNHKと日テレの番組での露出度が高いので、どこで差別化するのかというのが見るポイントであろう。
ということであるが、一番面白かったのが花見で宮崎監督が唄うシーン。かなり前に撮影された誰かのプライベートフィルムであろうが、監督が懐かしの『狼少年ケン』の主題歌の替え歌を唄うのが秀逸である。『狼少年ケン』といえば、東映動画初のテレビシリーズだが、その主題歌は今でも覚えている(というか毎週見ていたので今でも唄える)。作詞月岡貞雄、作曲小林亜星の名曲を是非一度耳にして欲しい。
http://www.youtube.com/watch?v=oLUJ0OgrpQI
そのサビの部分の替え歌の歌詞が傑作である。テレビアニメに対する当時の見方がよく分かるのだが、ネタバレになるので書けないのが残念。東映動画の宴会では必ず最後にテレビ番組の主題歌が唄われたと聞くが、この監督の歌声だけでも見る価値は十分にあると思う。
もうひとつ、宮崎吾郎監督と川上量生プロデューサーのミーティング。何やら一緒に作品をつくる話があったようだが、結構ヘビーな内容で、鈴木プロデューサーが頭を抱えていたのが印象である。こちらも一見の価値はあるだろう。見てのお楽しみだ。
バルト9など年末年始もやっているところがあるので見ては如何か。
http://yumetokyoki.com/theaters/index.html
次回は、『腰抜け愛国談義』。
コメント