初めての減産となった中国のアニメ制作分数
〈中国初のアニメ減産〉
中国ネタなので続けて8位としたが、昇竜の勢いであった中国のアニメ制作分数が2012年遂に減産となった。この現象を果たしてどう見るか?
広電総局から初めて統計が出た2003年のアニメ制作分数は12,000分。それが毎年150%平均ペースで上昇を続け、8年後の2011年には260,231分と何と20倍以上のアニメが制作されるようになった。日本と比べてほぼ3倍である。
おそらく、オンエアーとは関係なく広電総局への届け出、もしくは認可があった作品をカウントしているのと、何と言っても白髪三千丈の国であるから、同じ条件でアニメビジネスの環境を語れないものの、やみくもにつくり続けていたことは確かである。
それが2012年には前年度比85.7%となる222,938分となる初の減産。これが何を意味するかについては色々考えさせられるものがあるが、政府マネーと不動産マネーを推進力として行け行けドンドンで来たものの、やはりビジネスを支える下半身(ビジネスモデル)がついて行けなかったということであろうか。
「安く沢山つくれば売れる」という思想が根本にあった中国のアニメ政策であったが、当たり前の話であるがここに来てそれを見直さざるを得ない局面になりつつあるのだろう。表現の自由が確保できない社会制度の中で、中国アニメ産業の苦悩は深まりつつあるように見える。
日本を含む周辺諸国でTPPが展開される中、中国政府が自国のコンテンツを育てたいなら、今の著作権状況を無策のまま放っておけるはずがない。昨夏の東莞アニメーションフェスティバルで著作権の啓蒙手帳を配布していたが、そろそろ本気で取り組まない限り、ただでさえバブル気味だったアニメの制作分数は減り続けるに違いない。
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