〈クールジャパンの評価4古谷経衡〉
〜クールジャパンの嘘―アニメで中韓の「反日」は変わらない〜
クールジャパンに対して超辛口であったが、その内容は非常に納得が行くものであった。何というか、非常に説明が丁寧なので読めばスンナリと分かる。本書が日本のクールジャパンの弱点について一番分かりやすいの一読をお勧めする。
あと、「アニメで中韓の『反日』は変わらない」という論点に関しても共感が持てた。つまり、ハードパワーが伴わないソフトパワーは意味をなさないということ。
常々考えていたことであるが、これは中国における日米エンタテイメント産業展開の差に顕著に現れている。例えば、なぜハリウッド勢が中国で映画を数多く上映できるのか。なぜ、上海にディズニーランドを建設できるのか、といったことなのである。
どうしてか。それは要するにアメリカには第七艦隊があるから。もし。ディズニーランドが中国に接収されたら、第七艦隊は出動するはず。これは、「バック」が付いているということ。要は全ガキというかヤンキーのケンカと同じで、基本となるハードパワー(軍事力)が国際間でも必要なのだ。
今のところ日本は法律的には何の軍事力の裏付けもない。まあ、周囲が「平和を愛する諸国民」で、その「公正と信義に信頼」出来ればいいが、残念ながらそんな信条を憲法に掲げている国は日本以外ない。ジョン・レノン的に言えば。日本憲法第9条が世界遺産になるのは、理念的にいいことだとは思うが、どの国もこんな条項を採択はしないであろう。
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