うる星やつらの想い出3〜「LD50枚セット」
どうもうる星やつらの話が長くなって恐縮である。今回で終了するつもりである。
うる星やつらのテレビシリーズが終了し、余韻が残る状況の中で突然浮き上がった企画が一九八七年発売の「LD50枚セット」の話であった。正式名は『うる星やつら TVシリーズ完全収録版』で50枚のLDセットで価格が33万円、正真正銘現在のDVD—BOXの元祖である。
これを提案したのが『アニメビジネスがわかる』でも書いたが、当時キティフイルムに在籍し、その後『銀河英雄伝説』プロデューサーとなる田原正利(正聖)だった。彼は私の数年後輩に当たる同志社大学卒業キティレコード初のアニメスペシャリストだった。
当時『うる星やつら』のビデオグラム商品は発売元がファイブ・エース(キティとポニーキャニオンの合弁)、販売はポニーキャニオンが担当していた。ところが、商品の価格が余りにも高価ということで店舗流通を断られてしまった。本と違って自由に返品できないレコード業界の慣習としてはある種当然のことであったかも知れない。
ということで、通販のみの限定3,000セットの予約販売となった次第だ。会社としても不安はあったが、これが何と予約だけで3,000セットを売り切り、その後さらに3,000セットを追加、合計6,000セットを売る大ヒットとなった。
驚いたのは2セット買う購入者がいたこと。ひとつは実際に見て、ひとつは永久保存用。また期待値が高かったせいもあってクレームの内容も凄かった。コマ落とししないと発見できないレベルである。余りの細かさにプレスを担当したクラレからモニターとして紹介して欲しいといわれたほどだ。
このLDセットの成功を見たビデオメーカーがすぐに後に続き、時ならぬLD—BOXブームが巻き起るのだが、この「LD50」によってアニメマーケットには強固なセル市場があるということが証明されたのであった。『うる星やつら』はまさしく新しいアニメビジネスの幕開けそのものだったのである。
当時、エンタープライズにいた小堀といいます。
小林ビルにはにはあまり顔を出さず明大前にこもっていた者です。
エンターにいらした増田さんですか?
でしたらおひさしぶりです。
この商品については岩*氏が企画会議で企画書を出して彼が中心になって
製品化されていったので彼の発案によるものと思い込んでいたのですが
田原氏の企画、発案という記事もネットのあちこちでみかけます。
この商品の成立の過程について記録を残しておきたいと考えています。
私も癌にやられましたがまだしばらくは生きれそうです。
ご迷惑でしたらこの書き込みを削除して下さってもかまいません。
疑問に思ったので田原氏のブログのコメントから問い合わせてみました。
http://mtahara.blog75.fc2.com/
投稿情報: 小堀 | 2010/12/21 00:01
返事が遅れましたが増田です。
お久しぶりです。
エンターに確かにおりましてうる星のDVD−BOX販促の担当をやっておりました。
これに関して発案者は田原君です。
当時、こういう発送が出来るのは彼しかいませんでした。
Iさんはその商品企画担当でした。
明大前には何回か行った記憶がありますが、何だか散らかっていてむさ苦しかった記憶があります(笑)。
癌を患ったとありますがお体にお気をつけください。
投稿情報: 増田 | 2010/12/22 15:48
ご回答ありがとうございます。
そうでしたか。
I氏は実行した人でしたか。
明大前はタコ部屋でしたから。
私がいた当時でさえ一ヶ月以上も風呂に入らない人とか住みついている人とかいましたから。
あの頃の私はあまりにも愚かでした。それは今でもあまり変りはありません。手術をしなくても一年くらいは体はもちそうですしすれば何年かは
生きられそうです、増田様の今後の活躍に注目しています。
投稿情報: 小堀 | 2010/12/22 18:19