東京都現代美術館「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」
これまた遅ればせながら東京都現代美術館で開催されている男鹿和雄展に行ってきた。男鹿和雄はスタジオジブリの『となりのトトロ』『魔女の宅急便』『平成狸合戦ぽんぽこ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』などのアニメの背景美術を手がけてきた日本を代表するアーティストである。
この企画展はスタジオジブリが毎年現代美術館で行っているもので、「ジブリがいっぱい スタジオジブリ立体造型物展」(2003年)、「日本漫画映画の全貌展」(2004年)、ディズニー・アート展」(2006年)に次ぎ4回目である(2005年は開催なし)。
「ジブリがいっぱい」の時からそうであったが、ジブリ作品同様毎回入念な準備を感じさせる行き届いた内容になっている。特に昨年の「ディズニー・アート展」は素晴しかった。アメリカでも見られない門外不出のディズニーアニメの美術を居ながらにして見られたのはジブリ作品に対する評価の高さ所以であろう(ディズニーはジブリ作品を北米で配給している)。
人が入っているという話は聞いていたが入場して驚いた。週末を避け平日の16時に入場したのにもかかわらず人が数珠繋ぎになっている。ディズニーの時は致し方ないと思ったが、大御所とはいえ正直アニメファン以外にはさほど名前が知られてうるとも思えないアニメ背景美術アーティストの企画展にこれほどの人が集まるとは。客層の予想に反して若いカップルが多い。聞こえてくる話ではどうも小さい頃トトロを見ていたようだ。
男鹿和雄氏は日本のアニメ界の一線で仕事をしている人間らしく実に多作である。1970年代中盤からテレビ、劇場を問わず多くの作品を手がけている。最近はアニメだけではなく雑誌や書き下ろしの企画などでも幅広く活躍している。
9/6に入場者が150,000万人に達したことを受けて9/30日までの開催期間中定休日を返上するとのことである。公営の美術館としては異例の措置であろう。この美術館は駅から遠いので清澄白河(徒歩10分)以外からは(木場、菊川から徒歩15分)バスに乗ることをお勧めする。
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