松本悟/仲吉昭治『俺たちのガンダム・ビジネス』(日本経済新聞社/1,400円+税)
ガンプラ誕生の秘密が明かされる
バンダイ・チャンネルの代表である松本氏とは以前から面識があり、昨年から「まるごとアニメ」に対するコンテンツ提供などでビジネス上の取引も生じたため何度か話をする機会があったが、この本に書かれてあるようなキャリアの持ち主であるとは知らなかった。
この本の内容を正確に述べるなら、「俺たちのガンプラ・ビジネス」ということになるであろう。1980年当時、バンダイ模型で商品の企画開発を行っていた松本氏がガンプラの商品化を思い立ち、密かにガンダムに注目していた上司の仲吉氏に提案することからこのストーリーがはじまる。
ファースト・ガンダム放映当時、実はバンダイに先行してクローバーというメーカーが一連の玩具を商品化していた。それがなぜバンダイにライセンスが切り替わったのか長年の謎であったが、今回の本でそれが明らかになる。
広く知られていることであるが、ファースト・ガンダムは視聴率が振るわず途中で話数を短縮する形で打ち切られた。普通ならそういう番組のキャラクターを商品化するなど思いもよらないであろう。ところが当時のバンダイ模型では、逆風にもめげず断固ガンダムをやるべしと主張する松本氏の情熱が認められる気風があったようだ(今もあるとのことだが)。今のアニメビジネスでは有り得ない発想がガンダム・ビジネスを生み出したのだ。
ガンダムファンはもちろんだが、アニメやコンテンツに興味のある人間には是非お勧めである。一気に読める。
いつも興味深く読ませていただいています。
アニメメインなのでガンプラについての本は守備範囲外かも知れないけど、同じテーマの「ガンプラ開発真話」もぜひ読んでみてください。
「俺たちのガンダム・ビジネス」もつい数日前読みましたが、「ガンプラ開発真話」の方が泣けます。
投稿情報: a.sue | 2007/10/29 22:15
増田です。
コメント有り難う御座います。
タミヤのプラモデルは好きだったので「田宮模型の仕事」などは読んでいました。
プラモデルに夢中だった頃はタミヤ、今井、日模などが主流でバンダイ製品は余りなかったと記憶しています。ということで、ガンプラは世代的につくったことがないせいか「趣味範囲外」でした。読んでみます。
投稿情報: 増田 | 2007/10/30 08:12