ソニー・ピクチャーズ、3Dアニメから「撤収」④〜これからの3Dアニメの展開は?①
そして今年2007年。2006年よりは大幅に公開数は減ったものの、それでも結構つくられている。北米での公開順に列記すると以下の通りになる。
〈2006年北米公開劇場3Dアニメ〉
*シンプソンズは2D
①『TMNT』(Warner)
②『MEET THE ROBINSON』(Disney)
③『SHREK THE THIRD』
(シュレック3/Dreamworks)
④『SURF'S UP』(サーフズ・アップ/Sony)
⑤『RATATOUILLE』
(レミーのおいしいレストラン/Pixar)
⑥『THE SIMPSONS MOVIE』(Fox)
⑦『BEE MOVIE』(Dreamworks)
作品ごとに見て行くとTMNTは1980年代末から1990年代初頭にかけて北米で一世を風靡した『ニンジャ・タートルズ』のリメイクである。そして、注目すべきはその製作会社で、イマージ・インターナショナル(iMAGi International)という香港にある企業なのである。
実はこの会社、『鉄腕アトム』と『ガッチャマン』の3Dアニメリメイク化権も持っており現在作品を開発中である。またハリウッド作品の『ハイランダー』をマッドハウスで2Dアニメのリメイクをしている(監督はアメリカで人気の高い川尻善昭氏)。
このイマージという会社、香港の上場企業で資金力、技術力共に充実しており、『ニンジャ・タートルズ』がアジアのアニメとしてはポケモンに次いで北米BOX OFFICEの1位を獲得したが(オープニング2,400万ドル、最終的には5,400万ドル)、それは単なる偶然ではなく、リメイク戦略に見られる用意周到な計画があったためである。日本のアニメ業界にとっても、今後この会社の動きは見逃せないものとなるであろう。
ディズニー本体の作品『MEET THE ROBINSON』は日本では『ルイスと未来泥棒』のタイトルで年末公開予定である。興行的には1億ドルにわずか及ばない9,800万ドルであった。前作『ライアンを探せ!』(3,700万ドル)よりは遙かにいいとはいえディズニーとしては物足りない数字であろう。
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