右肩上がりのアニメビジネス6〜現在の第三次アニメブーム3
エヴァンゲリオン、ポケモンという10年に一度のメガヒットが続きアニメ業界も一気に活気づいたが、ここで更なるビッグ・ウェーブが押し寄せた。『もののけ姫』である。『紅の豚』から5年、満を持しての宮崎作品であった。
ポケモンから遅れること4ヶ月、1997年の夏に公開された『もののけ姫』のインパクトも凄まじかった。何せそれまで不滅の記録と思われていた『南極物語』の邦画興行収入記録110億円を大幅に上回る193億円という大記録を打ち立てたのである。1989年の『魔女の宅急便』以来、毎回邦画の年間興行収入のトップを取り続けていたジブリ作品であるが、『もののけ姫』では歴代の1位を獲得し「国民映画」となった。
そして第三次アニメブームのダメ押しをしたのが『千と千尋の神隠し』である。推定観客動員2,350万人。国民の6人に1人が見たことになる。それまで観客動員のトップであった『東京オリンピック』(市川混総監督/1965年)の1,950万人を上回る国民的アニメが生まれたのである。
『千と千尋の神隠し』は、これまた絶対破られることはないであろうと思われた1998年の『タイタニック』の興行収入260億円を上回った。人口が減少傾向に突入した日本で、今後この304億円という興行収入を超える作品が果たして生まれるのであろうか?
このように1995年のエヴァンゲリオンをブレイクポイントとする第三次アニメブームは『千と千尋の神隠し』によって決定づけられた。そしてそれは今なお続いているのである。
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