問題作『ベオウルフ』④〜3-D立体映像の迫力
「パフォーマンス・キャプチャー」と並ぶベオウルフの売りは3-D立体映像(ドルビー3Dシステム)である。前にも述べたがこれは確かに迫力がある。十分売り物になると思うのだが、いまいちPRが足りないせいか認知度が低いと思われる。知人や関係者に聞いてもほとんど知らなかった。
正直言うと、3-D立体映像の迫力のおかげで興味深く見られたような気がする。もし普通の劇場で見ていたらどうであったろうか。あの強烈な印象が果たして得られたであろうか。
12月10日付のバラエティ・ジャパンによると11月30日に北米でリリースされた『ベオウルフ』の小屋数は3,249館であったが、その内の約740館が3-D立体映像の上映館であった。3-D立体映像上映率は22%であるが、3週目に入った時点でBOX OFFICEの半分以上がそれらの小屋から得られているとのことである。
3-D立体映像上映館のチケットは平均すると2.5ドルほど高い(日本は2,000円である)。にもかかわらず興行収入の半分以上を上げているのは、それだけ3-D立体映像に対する評価が高いということであろう(逆にいえば立体映像以外の小屋は失敗の数字である)。
日本でもティ・ジョイ系の7館8スクリーンで上映されているが、同系列で上映している通常(2D)上映に対し450%の売上という好調な展開となっている。しかし、興行収入自体はまだ10億に到達していないと思われるので、こちらも全体の数字自体は低い。
アメリカでは今後3-D立体映像の上映が加速しそうである。すでに2009年公開のジェームズ・キャメロン次回作の3-Dでの上映も決まっている。「パフォーマンス・キャプチャー」の方はわからないが、3-D立体映像が増えるのは確実であろう。
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