2007年を振り返る⑬〜「王子様ブーム加熱」と「日本アニメーター・演出家協会(JAniCA)」その1
ようやく誕生したJAniCA
残すところ、あと二つとなったアニメージュ「2007年知っておきたいアニメ事情」のひとつは「王子様ブーム加熱」である。これに関して私には発言する知識も感性もないので遠慮させて頂くこととする。
最後になるのが「日本アニメーター・演出家協会」、つまりJAniCA(Japan Animation Creators Association)の誕生である。時にWGA(全米脚本家協会)がストの真っ最中の折でもあり、この件について少し考えてみたい。
JAniCAは既報の通り、昨年6月にスタジオライブの代表である芦田豊雄氏の提案によって設立された団体であり、その目標は色々あるが一言で言うとアニメの発展並びに演出家・アニメーターの地位向上のためにあると思われる。
事情の違いはあるにせよ、どんな産業や職業においてもある一定の就業人数を抱えるようになると、自らの地位の向上を目指しその利益を最大化しようとするのはごく当然のことである。その意味でJAniCAの設立は遅すぎたとも言えるかも知れない。
JAniCAが今後どのような道に進むのかはまだ明確ではないが、職能的な横断組織という点でいうと、日本脚本家協会や日本映画監督協会、日本撮影監督協会、美術監督協会といった組織に近いのではないかと推測される。
これらの団体の中でJAniCA近いと思われる日本映画監督協会を見てみよう。HPを見ると、入会資格は「劇場用映画の監督に限らず、テレビドラマ、ドキュメンタリー、アニメーション、VP、PR、CM等すべての映像媒体における”監督を業とする者”は誰でも入会できます」とある。入会金1万円、出資金1万円、会費は、月額3,000円である。
監督協会には日本の主要な映画監督が加入しおり、理事長は崔洋一監督、アニメ界からは、杉井ギサブロー、高橋良輔、前田庸生、増田龍治、りんたろうなど各氏が参加している。中でも杉井氏は理事であり、重要な活動に位置づけられている著作権委員会の副委員長という重職を務めている。(この項続く)
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