ネット上のファイル交換違法化の動き⑫〜ファイル交換日米における事情の違い
下記の情報は昨年12月13日に「アニメ!アニメ!」で報道されたものである。
「世界的に問題となっているインターネット上で行われる違法なアニメ番組のファイル交換は、BitTorrent経由だけで1週間で600万話に達することが明らかになった」
(アニメ!アニメ!「違法アニメのファイル交換 BitTorrentだけで週600万話」
http://animeanime.jp/biz/archives/2007/12/bittorrent600.html
にわかには信じがたい数字であるが、ひとつのファイル形式だけで週600万話もアニメが交換されているらしい。全体でいったいどれほどのファイルが交換されているのか想像もつかないが、2006年度のバンダイ・チャンネルの有料配信話数が1,600万話であったことを考えると、この違法ファイル交換数は余りにも膨大である。
これはアメリカでの調査を元にしており、その対象となるアニメのほとんどが日本製ということを考えれば、相当数の「ファンサブ」が流通していると考えられる。
日本とアメリカの場合、アニメの基本的な視聴事情は大いに異なっている。日本の場合、OVA以外は無料でアニメに接する機会は多い。映画にしても、民放地上波でオンエアーされるものは少ないが、BS、CSでほとんど見られる(有料の場合もあるが)。
しかし、アメリカでは無料で日本のアニメに接する機会は少なく、見られるとしても日本でもヒットしたメジャーな作品ばかりである。それを考えると、アメリカでは視聴機会のない作品を見る補完機能としてファンサブが存在した。そういう意味で当初はそれなりの意味を持ち得ていたこと確かである。しかし、毎週600万話というレベルになると話は全く違ってくる。
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