『ドラゴンボール』実写化⑫〜ピンクドラゴン登場
玩具会社の「アドバイス」を斟酌して提案されたキャラクター色分けであるが、原作者である津田氏の本来の意図は、全く同じ容姿の恐竜が全く同じ動きをするから面白いのだ、というものであった。現在の3Dアニメ的な動きを先取りしたかのような発想でもあり、確かにその狙いは当たっていると思われた。
けれども、結論から言うと玩具会社の意向に添って色違いの恐竜ブラザースが誕生したのである。鳴く子とスポンサーには勝てないのは世界共通らしい。ということで、緑や黄色、そしてピンクといった五色の恐竜が誕生したのである。
今となっては後の祭りだが、やはり色を変えるべきではなかったと思う。確かに色鮮やかになり、識別はつくようになったが「5 T-Rex」の持つ謎めいたクールさは完全に消えてしまった。おまけに、玩具会社は結局商品化しなかったので何のための改編かわからなくなってしまったというおまけまでついてしまった。
「5 T-Rex」の場合はスポンサーがらみの改編であったが、日本のマンガやアニメはローカライズしないとアメリカでは受けないとしばしば言われる。しかし、よく考えてみれば、もともと日本流のキャラクターやストーリーが評価されているのだから、極力原作のティストを取り入れて翻案するのが一番いいはずである。
もちろん、『PowerRanger』のように、特撮パートだけを残して実写部分はローカルで撮影した映像の差し替えて成功した例もあるが、ポケモンの成功以来むしろ日本のティストを活かそうという空気が強まっているのだ。そんな状況のの中、フォックスはドラゴンボールのどこを評価したのであろうか?
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